Skip to main content

世界海事産業の汚点:遺棄された悲惨なミドルイースト・マリン号の船員たち

ニュース 記者発表資料 07 May 2024

国際運輸労連(ITF)は、ミドルイースト・マリン社が100人以上の船員の権利を組織的に侵害し、遺棄した、最悪の事態を避難する。  

ITFはアラブ首長国連邦政府とパラオ海事局に対し、船員の苦しみをなくし、国際海事法および人権法を守るために行動するよう求めている。 

202211月以降、ITFは、バングラデシュ、インド、モルディブ、スリランカで、1817件以上の船員遺棄案件を報告してきた。 

インド、インドネシア、ミャンマーの船員は、汚れた 飲料水、食料の不足、パスポートや薬の押収、病気の船員の通院拒否、賃金未払いなど、悲惨な状況に置かれている。こうした行為は、人権・労働権の侵害とみなされる。 

インドネシア出身の船員はこう語る。「給料は3カ月以上支払われていないが、7カ月も支払われていない船員もいます。会社は食料も飲み水も供給してくれず、生き残るために魚を捕るしかない時もあります。乗組員全員がうつ病になり、家族は生き延びるために借金をせざるを得ませんでした」 

別の船員(インド出身)は、ITFに次のように話してくれた。「会社から酷い扱いを受け、精神状態はよくありません」 

国際法、すなわち 2022年改正海上労働条約(2006) では、船員は少なくとも月1回は賃金を支払われなければならない、と規定されている。2カ月以上、乗組員に賃金が支払われていなかったり、十分な食料、水、燃料が提供されていない場合、船員は遺棄されたとみなされ、保険会社や船舶の旗国(船が登録されている国、この場合はパラオ)が行動を起こすきっかけとなる。 

船員と家族がこのような緊急事態に直面しているにもかかわらず、ITFは問い合わせに対し、パラオ海事局から一度も回答を受け取っていない。 

「船員の命は、どの企業にとっても担保にはならない」とITFのインスペクター・コーディネーターを務めるeスティーブ・トラウズデールは述べる。「ITFは、ミドルイースト・マリン号の悲惨な状況と船員遺棄の規模の大きさにより、影響を受けている船員の福利面を心配している。  

UAEに登録された企業が、なぜこのような行動を行っても、罪を問われないのか理解に苦しむ。
ミドルイースト・マリン号は世界の海運業界の汚点だ」 

「船員がこのような極端な搾取、危険な労働条件、 権利の侵害に直面していることを目の当たりにし、衝撃を受けている。ITFアジア太平洋地域ネットワーク・コーディネー ターのサンドラ・ベルナルは、「賃金不払い、生活環境の不備、法的保護の欠如、移動の自由の制限など、これは正に現代の年季奉公に等しい」と語る。   

おわり 

 

メモ 

  • ITFインスペクターのポール・ファルゾンとサンドラ・ベルナル・アジア太平洋地域ネットワーク・コーディネーターは、直接、乗組員と面談し、支援の手を差し伸べることができる。面談の申し込みはジェシカ・サマーズ(電話:+44 7702 259 612、メールmedia@itf.org.uk)まで連絡を。   

  

国際運輸労連(ITF)とは国際運輸労連(ITF)は、民主的かつ加盟組合主導の交通運輸労働者の労組連合体であり、世界有数の交通運輸界の権威ある組織として認識されれている。147カ国の労働組合と労働者のネットワークを結び、組合員の権利、平等、正義を確保するため、労働生活の向上のために熱意溢れる闘いを展開している。ITFは世界を運ぶ約2千人の労働者の声を代弁している。  

 

メディアの連絡先ジェシカ・サマーズ+44 7702 259 612 media@itf.org.uk

現場の声

ニュース 08 May 2024

労災の犠牲者を追悼し、今を生きる労働者のために闘う

 毎年 4 月 28 日に世界中で記念される「労働者追悼の日」(または「労災犠牲者追悼記念日」)は、労災で死亡、負傷、または体調不良となった労働者を追悼し、行動を起こす世界的な記念日である。  最近、アプリを利用したデリバリーのライダー(配達員)が増加しているが、彼らの中には休憩を与えられず、危険な天候の中で働かされている者もいる。先週スペインで 1 人のライダーが死亡したが
ニュース 08 May 2024

トルコの港湾労働者は我々の支援を必要としている

トルコのブルサ近郊のボルサン港で働く港湾労働者が、港湾所有者のボルサン・ロジスティクスから、自らが選んだ組合に加入したことを理由に攻撃されている。 港湾労働者の 70 %以上が、 3 月に ITF 加盟組合のリマン・イシュ労組に加入した。 すると、ボルサン港の経営陣は、組合に加入したことを理由に港湾労働者 6 人を解雇した。 これに対し、組合は港で 4 日間の抗議行動を実施し、港湾を閉鎖した。
ニュース 07 May 2024

ITFとウーバーが配達員のためのグローバル安全憲章を制定

2024年4月25日配信 新たな合意の下で社会的対話を継続する ITF とウーバーが配達員のための安全憲章を制定した。 これにより、ウーバーは世界 1 万1千以上の都市の何百万人もの配達員の安全衛生の拡充にコミットする。 また、 ITF とウーバーは世界中のドライバー・配達員の労働条件向上に関する社会的対話を継続するために、両者の覚書を更新した。 これは、2年以上にわたる両者の協力により